WOWnet ~地域密着型防犯システム~

地域に根ざした防犯ネットワークシステム

近年の安全への関心の高まりに応えるため、既存のインフラストラクチャと新しい無線LAN技術を駆使し、地域コミュニティと一体になった防犯ネットワークシステム(WOWnet)を構築します。当研究は、株式会社オプテックスならびにNPO法人西大津駅周辺防犯推進協議会(OWCP)と共同で行なわれている産学民連携プロジェクトです。

近年の犯罪増加の一因として、地域内コミュニケーションの希薄化が挙げられます。これまで、子どもたちは暗黙のうちに地域の大人に見守られてきましたが、地域コミュニティの弱体化とともにそうした安全維持機構の働きが薄れ、子どもに対する凶悪犯罪の増加を招いています。したがって、WOWnetは「地域住民の防犯に対する日々の活動を最大限サポートする防犯ネットワークシステム」を目標としています。すべての問題をITの力だけで解決するのではなく、地域住民の力とITの力を合わせて犯罪を防止することが最大の目的です。

WOWnetのシステム概要

地域住民の各家庭には、子どもが所持する端末からの危険信号を受信するWOWnet基地局が設置されます。子どもが身の危険を感じて端末のスイッチを押すと無線により危険信号が発信され、信号をキャッチしたWOWnet基地局が音声や画像で住民に緊急事態の発生を知らせます。事態を知った住民は即座に現場に急行し、不審者や危険から子どもを保護します。

WOWnetでは緊急時に警備員ではなく地域住民が現場にかけつけ児童の安全を確保するため、警備会社に毎月サービス料金を払う必要がありません。また、PHSではなく無線LAN機能を搭載した端末を子どもたちに持たせるので、月額の固定料金が発生しません。さらに無線LAN機能を搭載した端末を利用するので、防犯以外を目的とする他のサービスを同時に提供することが可能になります。子どもの端末同士で会話することや、いくつかの端末が連携することで新たなサービスを生み出すことができ、産業の発展に寄与することが可能となるでしょう。

移動端末の位置推定機構

子どもが所持する端末は端末自身の位置推定を行ないますが、GPSを利用せず周辺のアクセスポイントから発信されている無線LAN電波(2.4GHz帯)を利用するため、端末のコストダウンやダウンサイジングにつながります。推定した位置データはWOWnet基地局に送られ、基地局を経由して中央データセンタまで届けられ記録されます。データセンタが常に子どもの位置を記録しているため、子どもたちがどこで危険信号を発信したのかを明確に把握することが可能となり、迅速な現場急行に効果を発揮します。 .